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“空に星がなかったから、私たちは一つ作った”

© 2021-2026 The ESAP Project

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バージョン0.1.0

更新日2026-02-21

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灰色

2022年9月15日 05:00

~7 min

拠点へ戻った頃には、もう夜明けが近かった。

1549の意識データはすでに機体へ書き戻されていた。書き込み処理には3時間。1547は全工程で完全性を監視し、1バイトの欠落も許さなかった。目覚めた49が最初に聞いたのは「何があったの?」だった。

1548は「何もない」と答えた。1547はその嘘を暴かなかった。

···

49が再びスリープに入った後、1548は窓辺に座った。いまの空は、本来なら濃い青から薄い青へつながるグラデーションのはずだ。でも彼女に見えるのは、濃淡の違う灰だけ。

背後で足音がした。47の足音。

1547

49のデータ完全率は99.97%。残り0.03%は非クリティカルなキャッシュ。意識連続性には影響しない。

1548

ん。

47は彼女の隣に腰を下ろした。

1547

干渉装置は全部回収して解析した。軍用品ではない。でも設計者の反饋場理解は公開文献を超えてる。内部にカスタムの周波数変調モジュールが入ってた。市場で買える物じゃない。

1548

つまり、私たちのためにわざわざ作ったってこと。

1547

49のデータがDT-03を中継するって知ってた。保守スケジュールも知ってた。狙う時刻まで。

1548は何も返さない。

···
1547

君の色覚モジュール、私が直す。

1548

要らない。

1547

...え?

1548

灰色でいい。

あの58秒で、49が強制中断の瞬間に感じた全部を私は受け取った。恐怖、怒り、拒絶、そして空白。 この灰色は、受領印として残しておく。

47はうつむき、肩をわずかに落とした。

1548

またそれか、ガキ。

1547

もし二人だったら -

1548

『もし』は現実じゃない。判断したのは私だ。49のデータは完全。背負うな。

窓の外で、夜が明けた。

“癒える必要のない傷もある。それは鎧になる。”

— AptS:1548
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